【介護】民間の介護保険って、本当に必要ですか?
【人生100年時代】と言われている昨今ですが、少子高齢化の影響もあり、日本の人口に占める高齢者の割合は年々大きくなってきています。
年齢を重ねれば重ねるほどに身近になるのが【介護】ですが、若い頃は考えたこともなかった、という方も少なくないでしょう。
自分では、自分自身が介護状態になることはないと思っていたとしても、誰にも将来のことはわかりません。
また働く世代の方の中には、実際に親の介護をしている方や、周りに介護をしている人がいるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回のコラムでは『自分や自分の身近な人が介護状態になってしまったら?』ということをテーマに、公的介護保険と民間の介護保険の必要性について考えてみたいと思います。
公的な介護保険とは
【要支援】や【要介護】という言葉を聞いたことはありますか?
公的介護保険サービスを受けるためには要介護認定が必要となりますが、介護を必要とする度合に応じて【要支援】と【要介護】(要支援は1~2、要介護は1~5の7段階)に分けられます。
要介護認定の申請には申請書、介護保険の被保険者証、健康保険の保険証(65歳以下の場合)が必要となります。
お住まいの市区町村の窓口に上記の書類を提出しますが、介護認定を受けたい本人が申請をできないときは、ご家族が本人に代わって申請することができます。(地域包括支援センターや居宅介護支援事業者、介護保険施設で申請を代行してもらえる場合もあるようです。)
書類提出先の市区町村の職員やケアマネージャーによる自宅訪問や聴取を経て、要介護1~5、要支援1~2、非該当(自立)のいずれかに認定されます。
では、具体的にどのような状態のことを要支援状態、または要介護状態というのでしょうか。
要支援状態は、身の回りのことを自分自身で行うことはできますが、周りの人から多少の支援を必要とする状態のことです。
例えば、食事やトイレ、入浴などは一人で行うことが出来ても、掃除のように膝を曲げたりかがんだりすることを行うのが難しい、というような状態です。
要介護状態になると、日常生活(衣食住)を行う上で何らかの手助けが必要となります。
例えば、着替えの際のズボンの上げ下げや入浴時の介助が必要な方や、認知症の症状がある方についても要介護に認定されることがあります。
要介護と聞くと、寝たきりや車いすでの生活をイメージするかもしれませんが、そのような状態ではなくても要介護と認定されることがあるんですね。
書類での申請や自宅への訪問や聴取を経て、要支援状態や要介護状態であると認定されると、そこで初めて公的介護保険サービスを利用できるわけです。
公的介護保険では現物給付でサービスを受けることができます。
具体的にはデイサービスやデイケア、訪問介護や介護施設への入居、福祉用具のレンタル・購入などがあります。
認定の結果によって受けられるサービスの限度額に違いはありますが、このようなサービスを受けることで、ご自身やご家族の負担が少し軽くなるかもしれません。
しかし要支援・要介護ともに、全くの無料でサービスを受けられるわけではありません。
サービスを受けるためには、サービス利用者が利用料の1~3割を支払う必要があります。
では、ある程度の公的介護保険サービスを受けられることを前提として、民間の介護保険の必要性を考えてみましょう。
民間の介護保険とは
仮に要介護2に認定された方が介護サービスを受けようと思ったとき、1か月につき約19万円がサービスを受けられる限度額になります。
約19万円分サービスを受けた場合、そのうちの1~3割が自己負担ということになるため、1.9万円~5.7万円の手出しが発生します。
1年間に換算すると、22.8~68.4万円の負担になり、この状態が5年間続けば、114~342万円の自己負担となるわけです。
これはあくまでも、要介護2の状態がずっと続いていたと仮定した場合です。
介護の度合いが介護2から3,4,5と進めば、サービスの使用限度額は上がり、ご家族やご自身の負担を減らすために限度額までサービスを使えば、自己負担も大きくなります。
生命保険文化センターの調べによると、介護にかかる平均的な年数は約4年7か月で、その期間をもとに算出した介護にかかる費用の総額(公的介護保険サービスの自己負担以外も含む)は約500万円にもなるそうです。
老後に何があってもいいように十分に貯金をしているという方は、民間の介護保険への加入は考えなくてもいいかもしれません。
老後に備えて貯金はしていたけど、十分ではないかもしれない…と感じている方もいらっしゃると思います。
2か月に1回支給される年金で支払っている生活費や固定費に公的介護保険の自己負担分が上乗せされると考えたとき、今までと同じ水準の生活ができるでしょうか?
そんなときに役立つのが、民間の介護保険です。
実際に介護が身近にある、または要介護者がいるご家庭において、介護保険サービスの自己負担分が経済的な負担になっているというふうに感じている方が多くいらっしゃるそうです。
生活費のほかに介護に使えるまとまったお金(500万円程度)が年金や貯金で準備できないとなれば、公的な介護保険サービスが受けられる状態にあっても、自己負担が大きいがために上限までサービスを使用できない可能性があります。
また40歳以上65歳未満の方については、16種類の特定疾病によって介護が必要になった場合のみ公的介護保険サービスを使用することができます。
裏を返せば、16種類の特定疾病ではない場合は公的な介護保険サービスの使用が出来ないということになります。
民間の介護保険であれば、各保険会社が定めた所定の状態になったら、年齢を問わず保険金を受け取ることができます。
民間の介護保険に加入すれば月々の保険料が発生するため、全くの負担がないとは言えませんが、ご自身が働いているうちに準備をしておけば、現金で保険金が給付されるため、ご自宅のリフォームや介護サービスの自己負担分へ補填するなど、ご自身でお金の使い方を選ぶことができます。
ご家族などの身近な方の介護を経験された方は、公的介護保険サービスの自己負担以外での出費が思った以上に大きいと感じた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
民間の介護保険は給付金が現金で受け取れるため、保険対象外のサービスを受けたり、買いたいものを買えたりするなど、介護に対する選択の幅が広がります。
ご自身のために、また大切な家族のために介護に対する選択肢が広がるように民間の介護保険にご加入されるのもいいのではないでしょうか。
まとめ
いままでお話したことを踏まえて、介護に対する備えが十分であるという方については、民間の介護保険にご加入される必要はないかもしれません。
介護に対する備えが心配だという方や、より手厚い介護を受けたいという方、介護に対する選択肢を増やしたいという方、また、介護状態になったときに身近に頼る人がいないという方は、いちど民間の介護保険へのご加入を考えてみてはいかがでしょうか。
その際は県内5店舗で営業をしております、エール保険事務所(霧島本店・姶良支店・鹿児島支店・川内支店・鹿屋支店)まで是非ご相談ください。