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『餅』が繋ぐ日本の心

皆さんは、『餅』といえば何を思い浮かべますか?
やはり正月に飾る『鏡餅』でしょうか。
ひな祭りの『菱餅』でしょうか。
はたまた、お汁粉やお雑煮の『餅』、『桜餅』や『牡丹餅』、『柏餅』でしょうか。
棟上げの『餅まき』もありますね。

日本における餅はただの食べ物ではなく、すこし特別な存在のようです。

【餅の歴史】

餅の歴史は古く、弥生時代・古墳時代頃から作られていたと言われています(諸説あり)。
その頃の出土品の中から、土製の蒸し器が見つかっており、蒸す技術が普及していたと考えられているそうです。
少なくとも、奈良時代に編集された『豊後国風土記』を始め、平安時代の『大鏡』、鎌倉時代の『吾妻鑑』などにも記述があるようです。
これらに登場する餅は、”神様の象徴”であったり、”縁起物”であったり、”お供え物”であったり、いずれも特別なものとして扱われていました。
今回はお正月も近いということで、なかでも『鏡餅』について、少しだけご紹介しようと思います。

【鏡餅の意味とは?】

ご存じのとおり鏡餅は、丸餅を2つ重ね、その上に『だいだい』を乗せた伝統的な正月飾りです。
鏡餅は、恵方(えほう)からいらっしゃる”年神様(としがみさま)”の依代(神が宿る場所)であり、”鏡開き”で神様を宿したお餅を余さずいただくことによりその恩寵(神様から与えられた恵みや助け)を賜る、と言われています。

重ねられた2つの丸餅は 月(陰)と太陽(陽)を表し、だいだいは熟しても枝から落ちないことや「代々、お家が栄えますように」という語呂合わせ等から縁起物として飾られているそうです。
「え?あれだいだいだったの?」
とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。
もし、みかんを飾っていたとしても、みかんはかんきつ類。
かん『吉』類、『吉兆』の『吉』ということで縁起がいいとする説もあるそうです。
懐が深いですね。

さて、ではなぜ『鏡』なのでしょうか?

鏡餅は、”神様の依代となる”役割を持った『餅』です。
では、”神様の依代となる役割”を持った『鏡』に心当たりはありませんか??
そう、三種の神器のひとつである『八咫鏡(やたのかがみ)』です。
一般公開はされていませんが『銅鏡』同様の、分厚くて丸い姿をしているとされています。
伊勢神宮の御神体としても有名ですね。
また鏡は、太陽の光を反射することから『天照大神(あまてらすおおみかみ)』の象徴として、『天照大神』に限らず『神様の象徴』として、日本各地の神社でお祀りされています。

そんな神様と縁の深い『鏡』は、神道の起源とも言われている『稲作信仰』にも深く関係したようです。
縄文時代から弥生時代にかけて稲作が広まり、狩猟社会から農耕社会へと変化していきました。
当時の人々にとって、『稲の不作』は文字通り死活問題
あらがいようのない『自然災害』や『異常気象』に神の存在を感じ、豊作を神に願うための儀式や祭りで、銅鏡や銅鐸(どうたく)が用いられていたと言われています。
早くもこの時から、『鏡』も特別なものとして扱われていたようですね。

さて、そんな『鏡』と『米(稲作)』によってあらわされている『鏡餅』。
ここでご紹介したことはほんの一部で、まだまだ興味深い歴史や、縁のあるお話がたくさんあります。
一部とはいえ、『鏡餅』という存在の奥深さを感じていただけたのではないでしょうか。
ご興味のある方はぜひ、ご自分でも調べてみてください。

そんな縁起物でもある餅ですが、気を付けなければならないこともあります。
餅による『窒息事故』です。
消費者庁によると、特に正月三が日に集中しているそうです。
お正月に食べるお餅は特に美味しいものですが、小さなお子様やご高齢の方は特にご注意くださいね。
そして、万が一そんなことがあって病院にいかれた場合には、”傷害保険”でも補償対象となる場合があります。
是非、現在ご加入中の保険も確認してみてください。

【終わりに】

さて、今年も1年間 私ども【エール保険事務所】とご縁を繋いでいただきましてありがとうございました。
来年も、皆様により一層の安心・安全をお届けできますよう、スタッフ一同頑張ってまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

~ 来る年も皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます ~

参考
政府広報オンライン 「餅による窒息に要注意!喉に詰まったときの応急手当は?」
消費者庁 「年末年始、餅による窒息事故にご注意ください!-加齢に伴い、嚙む力や飲み込む力が衰えてきます。小さく切って、少量ずつ食べましょう-」

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