IT業界の技術の進化 ~USBの凄さについて考える~
鹿児島支店から、元プログラマーの中津です。
パソコンは凄まじいスピードで進化しています。
突然何の話だ?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回は技術の進歩について取り上げたいと思います。
皆様は『ドックイヤー』という言葉を聞いたことがありますか?
犬の1年は、人間の7年に相当すると言われています。
7年かかった技術の進歩が1年で可能になってしまうという「IT業界の技術進化の速さ」を、犬の成長になぞらえて『ドッグイヤー』と言うのです。
のちに、ドッグイヤーよりも技術の進歩が速くなったことを人間の18倍の速さで成長するネズミになぞらえた『マウスイヤー』という言葉も登場しました。
USBメモリ
IT業界の技術進化の1つが、USBメモリ。
皆さん、何も疑問を感じることなく普通に使っているのではないでしょうか?
このUSBメモリは本当に素晴らしい発明でした。
日本で発売されたのは、2000年6月だそうです。
USBが発明される前までは、データを他のパソコンとやり取りする場合、【メール】を除くと【フロッピーディスク】や【CD】【DVD】に書き込むということが主流でした。
フロッピーディスクは、1.44MBしか保存できません。
現在でいうと、iPhoneで撮影した写真1枚ですら保存できない容量です。
CD(650MB~700MB)やDVD(4.7GB)に書き込むためには専用のドライブが必要で、そのドライブも非常に高価でした。
私が2003年頃に購入したDVDの書き込みまでできる専用ドライブは、4万円を超える値段でした。
ドライブ本体だけで!です。
当時は、一般的に容量の大きいデータをやり取りするためには、CDやDVDに書き込むしか方法がない時代でした。
しかもCD1枚を焼くのに1時間近くかかり、簡単にデータをやり取りできなかったのです。
また、CDやDVDは一度書き込んだデータを削除できないので、使い捨てをするしかありませんでした。
そんな時代に登場したのが、『USBメモリ』です。
正式名称は『USBフラッシュドライブ』と言います。
データの書き込みのための専用ドライブも必要ない、コピー&ペーストだけでデータ移行ができる画期的な商品でした。
ちなみに、皆さんが『USB』と言っているのは『Universal Serial Bus(ユニバーサル シリアル バス)』のことで、簡単に言えば様々な周辺機器とパソコンを繋ぐ規格を指します。
『様々な周辺機器』というのが最大の特徴です。
USB規格が主流になる前は、プリンタ用の接続端子、ドライブ用の接続端子など、差込口の形も色々と分かれていました。
それが今では、パソコンに接続する何もかもが『USB』端子に統一され、非常に便利になりました。
USBメモリが世間に登場した2000年代、当時は『USBが世界を変える!』と言われていました。
あれから20年以上経った今、『世界を変える』という意味が良く分かります。
携帯電話の充電器だけでなく、電子タバコや様々な電子機器の充電などにもUSB端子が使われています。
家庭用コンセントなどは、世界各地域によって形が違います。
USBは世界標準なので【世界中どこでも共通】ということがUSBが世界に広まった大きなポイントなのではないでしょうか。
私が最初に購入した『USBメモリ』は、16MBで、約4000円でした。
現在は、同じ約4000円で256GBのUSBメモリが買える時代になりました。
256GBは、256000MBです。
つまり、20年の間に同じUSBの容量が1万6000倍の容量となっている訳です。
まさに『ドッグイヤー』と言えるのではないでしょうか。
サイバー攻撃
世界を変える!と言われるほどの発明であったUSBですが、あまりにも簡単にデータのやり取りができるようになったために、情報漏洩の原因やサイバー攻撃の感染源になってしまうこともあります。
兵庫県尼崎市の全市民のデータが入ったUSBの紛失のニュースが世間を騒がせたのは、まだ記憶に新しいことでしょう。
また、2021年8月に運輸業界と保険業界、2021年11年には防衛業界の組織に対し、マルウェアの感染を行うために仕込まれたUSBメモリが送付されるというサイバー攻撃も行われています。
サイバー攻撃に関しては、以前のコラム【知らないうちにパソコンやスマホから情報が漏洩する可能性があるってほんと?】で詳しく取り上げておりますので、よろしければご一読ください。
サイバー攻撃や情報漏洩などのリスクが当たり前となった状況を受けて、サイバーリスクを保証する保険も発売されています。
詳しく話を聞いてみたい方、検討されている方は、エール保険事務所各店(霧島本店、姶良支店、川内支店、鹿屋支店、鹿児島支店)まで、是非ご相談ください。
文明の進化とともに、30年前には想像もしていなかったリスクが今では発生し、そのための保険ができています。
さらに数十年後には、また新たなリスクが生まれ、どんどん新しい保険ができることでしょう…